関東ながら北海道並みの気温の低さが注目され、避暑地や移住先の候補として注目されつつあるのが群馬県「嬬恋村」です。

リモートワークという新しい働き方が社会に浸透した昨今、都会から離れた地域への移住を検討する人が増えてきています。

しかし、移住先を考えるにあたって「なるべく関東に近い場所で夏を快適に過ごしたい」「気温が低くて落ち着いた場所が見つからない」と悩む方も多いはず。

そこで今回は、群馬県の「嬬恋村」について、関東に位置しながらも北海道並みに気温が低い理由と、嬬恋村だからこそできる快適な暮らしぶりをご紹介します。

嬬恋村とは

嬬恋村は、群馬県の西部に位置する、山岳地帯の村です。吾妻郡に属し、近隣には避暑地として有名な長野県の軽井沢があります。村全体の人口は約8,800人、世帯数は3,500世帯と、2005年をピークに年々減少しています。

軽井沢の近隣地域で、上信越高原国立公園内の地域でもあるため、土地柄として自然豊かで夏季でも冷涼な気候であることが大きな特徴です。夏の涼しさは特産品にもつながっており、全国的にも有名なキャベツをはじめ高原野菜が盛んに栽培されている地域でもあります。

また、村内の各地から縄文時代の石器や土器が発見され、その歴史は6000年以上前にまで遡ります。江戸時代には、浅間山の噴火によって住民に甚大な被害が及びました。その一方で、噴火によって積もった火山灰が肥沃な土壌を産み、現在の農作物栽培につながるなど、歴史的な背景が現在の村の姿に色濃く反映されています。

夏は北海道並みの涼しさを感じられる

嬬恋村が移住先として候補に上がる大きな理由は「涼しさ」にあります。関東に位置しながら、標高は700〜1,400mの高原地帯であるため、年間平均気温は約8℃、6〜9月の夏場であっても15〜20℃と、気温だけでいうと北海道なみの涼しさなのです。

冷涼な気候を生み出しているのは、村の西・南・北部を囲む山脈。浅間山や湯の丸、吾妻山、白根山といった標高約2,000mの山々が連なり、いわば日本大分水嶺山脈ともいえる環境が嬬恋村の快適な気候を作り出しているのです。気温と湿度は避暑地としても最適な条件ともいえ、軽井沢と同様に別荘地としての脚光を浴びつつあります。

涼しい環境を生かした名物

山々に囲まれた嬬恋村は、冬場になるとスキー場としての一面ものぞかせます。嬬恋村内にあるスキー場は「パルコール嬬恋スキーリゾート」「万座温泉スキー場」「鹿沢スノーエリア」「ASAMA2000Park」の計4つ。それぞれに個性があり、パウダースノーを体験できるスキー場として、数多くの観光客に親しまれています。

また、特産品であるキャベツが育つのも、嬬恋村の自然環境があってこそ。良質なキャベツを育てる条件としては、「雨量が多いこと」「日中と夜間の気温差が大きいこと」「栄養が豊富な土であること」が望ましいとされています。雨に恵まれ、高原地帯ならではの気候と火山灰からなる肥沃な大地を持つ嬬恋村は、甘くみずみずしいキャベツの栽培にうってつけの土地といえます。

嬬恋村の快適な暮らし

最後に嬬恋村で快適に暮らすことができるポイントについて解説します。避暑地や移住先として注目されつつある嬬恋村には生活する上で快適に過ごせるポイントがいくつかあります。

気温が低く、夏は北海道並みの涼しさ

上述したように、嬬恋村は関東でありながら北海道並みの涼しさを誇るため、避暑地としておすすめです。1日の温度差も大きく、東京都と比較すると、一年を通じて5〜8℃ほど気温が低いため、夏場でも比較的快適に過ごすことができます。

JR線は3駅あり東京駅まで約3時間

嬬恋村内にはJR吾妻線の「袋倉駅」「万座・鹿沢口駅」「大前駅」の3駅が存在し、東京駅までは約3時間の距離です。また、「西武観光バス」と「JRバス関東」が運行しており、経路も路線化され、普段の日常生活で極端に不便を感じることは少ないと言えるでしょう。その他にも、浅間山方面から軽井沢へ通じる鬼神ハイウェーは、観光道路としてだけでなく住民の移動道としても整備されています。

子育て支援制度の充実

嬬恋村では、子育て世代への支援も積極的に行っています。嬬恋村内に保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校が存在するため、義務教育までを完結できるほか、子ども出産時の「出産祝い金」として児童一人につき5万円、村内の幼稚園から中学校までの給食費無料化、さらに保育料の無料化などを設け、子育てを村全体でサポートする体制が整っています。他にも子育てに関する各種給付金が用意されており、移住後の子育てや教育も安心です。

まとめ　

今回は、嬬恋村の気温が低い理由と気温を生かした名物や暮らしについて解説しました。嬬恋村は関東に位置しながらも夏は北海道のような涼しい気温で過ごしやすいと注目されています。また移住先として選ぶ方も多いようです。気になる方はぜひ一度嬬恋村へ足を運んでみてください。